今回はみなさんと共に(?)、サッカーの試合におけるファウルと警告(イエローカード)と退場(レッドカード)の関係性について復習してみたいと思います。
真☆煩悩の赴くままに: 813:【サッカー四級審判員の独り言】グリーンカードの正しい(と思われる)使い方について!の巻
以前にもグリーンカードの使い方について学んでおります。
自分がイエローカードをもらったことがないのは、ただ単にサッカーやってないからなんです。それにサッカー以外の日常生活だと、家ではカミさんにイエローカード(またトイレの電気つけっぱなし!)もレッドカード(またAmazonから何か荷物届いてるけど何あれ?)もしょっ中出されてますから、ボク自身がカードをもらうのには慣れっ子なんですけど。←それでイイのか?
他人に対して、しかも幼気(いたいけ)なサッカー少年に対してイエローカードを喰らわすなんてのは、大の大人がやることとしてはかなり慎重を要すもんなんです。ボクの場合だけかも知れませんか、審判員になってからずーっと「カードを出すのはかなり思い切った行為になるな」と思い込んでいたもんですから、実際にイエローカードを出す行為をした後ずーっと心に引っ掛かっております。
なので、今さらながら何なんですが、自戒の念を込めつつ「あの時のあのイエローカード、あれはホントに良かったんだろうか?」ということをこの場で検証しつつ、ちゃんとしたルールをおさらいしておきましょうってな魂胆で、話をとっとと先に進めたいと思います。
まずはルールのおさらい
みなさんも身に覚えがあるかもしれませんが、ボクがもっぱらJリーグやサッカー日本代表の試合を観戦するだけの評論家気取りのにわかサッカーファンだった頃は、試合を見ながら「今のはファウルだろう?」とか「おいおい、今のでカード出さねぇのかよっ!」とかTV画面に向かって審判に文句を散々言っておりした。
実際にサッカーの四級審判員になってみてちゃんとしたサッカーのルールを勉強してみて改めて感じたのは、あの頃のボクってば、なーんにも解っちゃいなかったんだよねってことでした。
というのも、単なるサッカーファンとしてのボクは、何となく感覚的に「今のはファウル」とか「今のはイエローカード」と口走っているだけで、ちゃんとルールに即した判断をしていなかったいい加減な輩だったからです。
そこで今回は、せっかくなのでその「ちゃんとしたルール」ってヤツをこの場で再確認してみたいと思います。
まずはファウルの定義から参りましょうか。
ファウル (サッカー) - Wikipedia
いつものこちらから引用させていただきます。
【直接フリーキックに相当するファウル】
競技者が次の7項目の反則を不用意に、無謀にまたは過剰な力で犯したと主審が判断した場合、直接フリーキックが相手に与えられる。
- 相手競技者を蹴る。もしくは蹴ろうとする。
- 相手競技者をつまずかせる。もしくはつまずかせようとする。
- 相手競技者に飛び掛る。
- 相手競技者をチャージする。
- 相手競技者を打つ、または打とうとする。
- 相手競技者を押す。
- 相手競技者にタックルする。
- 相手競技者を抑える。
- 相手競技者につばを吐く。
- ボールを意図的に手または腕で扱う。(ゴールキーパーが自分のペナルティエリア内にあるボールを扱う場合をのぞく)。
【間接フリーキックに相当するファウル】
以下の7つの行為を犯した場合に、間接フリーキックが相手に与えられる。
- ゴールキーパーが6秒以上ボールを手で保持し続ける。
- ゴールキーパーが一度手から離したボールを他の競技者が触れる前に再び手で触れようとする。
- ゴールキーパーが味方からキックで返されたボールを手で触れる。
- ゴールキーパーが味方からのスローインを手で触れる。
- 危険な方法でのプレー。
- 相手の前進の妨害。
- ゴールキーパーがボールを手から離すのを妨げる。
これら全部がファウルでして、その行為によって、相手に与えられるフリーキックが間接フリーキックになるのか直接フリーキックになるのかが明確に分かれております。
また、当たり前のことなんですが、勘違いしてはならないのはこのファウルと警告(イエローカード)や退場(レッドカード)を伝えるかどうかは別問題ってところになります。全てのファウルがカードの対象になるワケではなく、カードが出ないファウルもあるというのは試合を観ていれば解る話ですよね。
それじゃ、警告(イエローカード)とか退場(レッドカード)ってのは何なんでしょうか?って話になりますので、こちらもちゃんと確認しておきたいと思います。
レッドカード - Wikipedia
同じくこちらから引用します。
イエローカード - Wikipedia
同じくこちらも同様に引用してみます。
競技者が次の7項目の違反をした場合、警告を与えイエローカードを示すと規定している。
- 反スポーツ的行為を犯す。
- 言葉または行動によって異議を示す。
- 繰り返し競技規則に違反する。
- プレーの再開を遅らせる。
- コーナーキック、フリーキックでプレーを再開するとき、規定の距離を守らない。
- 主審の承認を得ずにフィールドに入る、または復帰する。
- 主審の承認を得ずに意図的にフィールドから離れる。
【レッドカード】
競技者が行った次の7項目の行為に対して、レッドカードを提示し退場を命じると規定している。
- 著しく不正なプレー。
- 乱暴な行為。
- つばを吐く。
- 決定的な場面における意図的に手を使っての得点機会阻止(ゴールキーパーを除くが、ペナルティーエリア外で犯すと有り得る)。
- フリーキック、ペナルティーキックに相当する反則での得点機会阻止(前記と同じく、決定的な場面に多い)。
- 侮辱行為。
- 同一試合中に警告(イエローカード)を2回受けた場合。
非常に体系的にまとめられてはいるんですが、いかんせん堅い言葉遣いだと解りづらいです。
なので、ここでは、小学生のサッカーの試合でよく見られる行為として「相手にぶつかる(蹴る、タックルする、手で掴むなど)」という行為に限定してみます。例えば、ドリブルしている選手からボールを奪う際や、ボールをキャッチしたキーパーとの接触などによくある光景ですかね。それを簡単かつかなり強引にまとめると、こんな感じにまとめられるかと思います。
- 意図せずに反則しちゃった!
→単なるファウル - 解ってるのに反則しちゃった!
→ファウルとイエローカード - わざとらしい反則を何度もしちゃった!
→ファウルとレッドカード
うーん、ちょっとニュアンスが伝わりづらいかと知れませんが、ここではコレでヨシとしましょう。じゃないと時間内に書き終わりそうにありませんので。
ケーススタディー
ボクが主審を務めている際に遭遇したのは、こんなケースでした。
【第一のケース】
ボールをキャッチしたキーパーに対して、走り込んだ相手のフォワードが勢い余って接触。
これは普通はファウルです。接触してキーパーが倒れなくてもファウルを取っていい場面だったかも知れません。
ですが、ボクの遭遇したケースは勢いづいたフォワードの選手が止まれずにキーパーとぶつかってしまったように見えてしまったのです。しかも手をキーパーの肩に添えて止まるそぶりを見せていましたし、キーパーもそれでちょっとよろける程度の比較的軽い接触に見えたのです。
本来はここでファウルを取るべきでしたが、自陣ペナルティエリア内からのパントキックとフリーキックという差しかないので、口頭で「気をつけてね」と注意するに留めてしまいました。
これがそもそもの誤りだったのかも知れません。
【第二のケース】
全く同じ選手がゴール前のボールの競り合いにてキーパーと再び接触。キーパーも相手の選手も倒れ込み、倒れたフォワードの選手がボールを奪おうとして足を出した時にキーパーの頭を蹴ってしまい、キーパーはその後しばらく立ち上がれず。
これも明らかにファウルです。前半終了間際だったので、その後キーパーはベンチに戻り、後半も元気に出場してくれたのでホッと胸を撫で下ろしたのですが、ひとつ間違えば大きな事故になっていたかもしれない危険な出来事でした。
繰り返しての接触行為でしたので、フォワードの選手を呼び、口頭で注意しつつイエローカードを提示しました。
ここまでで、ボクは主審として間違いだらけであることが判ります。心の中の動揺(子供同士の接触で怪我人が出そうな場面は大の大人でもドギマギするもんなんです)を隠して堂々とレフェリングしているように見せかけてはいましたが、やってる審判としての行動は褒められる点が一つもありません。振り返った今だから言えるんですけど。試合に出ていた子供たち、ケガをしそうになったキーパーにも申し訳ないですし、長い目で見ればファウルを犯したフォワードの選手にも申し訳ないことをしたと、反省ばかりです。
そもそも、ボクは審判としてはファウルに甘い方でした。サッカーに情熱を燃やす若い彼ら彼女らが、汚い大人のような反則行為をワザとするハズもないとタカをくくっていました。
ですが、本来的に審判は公平・公正に試合の運営をしなければならず、不正はどんな小さなものであっても見逃してはいけないのです。ましてや、サッカーを始めてまだそれほど日が経っていない子供たちを相手に審判として試合を裁くのであれば、「やってはいけないこと」を確実に覚えさせなければならないのです。ワザとかワザとじゃないかなんて、そんなことは小さなことだと今さらながら気がつきました。
ボクのレフェリングがつたないばかりに、この試合はファウルすれすれの行為が多発する、いわゆる「荒れた試合」になってしまったのです。
主審としてボクが犯した過ちとは?
まず、第一のケースの際に、口頭での注意のみではなく、キチンと笛を吹いてファウルであることを宣告すべきでした。
ファウルを犯されたキーパー側にとって、地面に置いたボールを蹴るフリーキックよりも、的確に意図した遠くの場所に飛ばせるだろうパントキックをさせようとした甘い判断がそもそもの間違いでした。
あそこでフォワードの選手に「君のやった行為は反則なんだよ」と明確に伝える場面だったのに、それをちゃんとやらなかったがために、フォワードの子は「この程度の接触ならファウル取らない審判なんだ」と誤解させてしまったのが大きな罪でした。なので、必然的に第二のケースが発生してしまったのです。
そして次に、第二のケースでボクが取った行動も誤りでした。第一のケースで犯した過ちをリカバリーする行為ではあったものの、第二のケースで取った主審としての行為は辻褄が合いません。第一のケースでファウルも取らなかったのに、いきなりイエローカードを提示してしまったのです。
その試合の第4審判には、堂々としたレフェリングだと言われはしたものの、イエローカードを出されたフォワードの選手の子供からしてみれば「ワケわかんないよ!」って感じだったのかも知れません。
更に付け加えるならば、キーパーの頭を蹴ってしまった行為が不用意に繰り返された違反(キーパーチャージ)であるならばイエローカードに相当するものでよいのですが、ワザと犯した著しく不正な行為であったり危険で乱暴な行為に該当すると見れなくもなく、もしかしたらレッドカードでもおかしくなかったのです。
更にダメなのが、他の子供たちにも「今日の主審はファウルを取ってくれない」という意識を植え付けてしまったことです。だからファウルすれすれの行為が横行し、試合が荒れてしまったのです。
まとめ
やはり、小学生同士の試合とは言えども、ルールに則った試合運営を行う責任が主審にはあるんです。態度だけでなく、堂々とファウルはファウルとして宣告するのが主審の務めであると反省しきりです。
ボクはトラップをミスしてたまたま手に当たってしまった場合もハンドを取っていませんでした。だって「ボールを意図的に手または腕で扱う」行為じゃないと思っていたんです。
ですが、主審によっては例え意図的ではなくても手(身体についてない手)に触れた場合でもすぐにファウルとする人がいます。主としてレフェリングが上手いなと思う主審の人ほどファウルには厳しい傾向があるように思います。
ボクはただ単にファウルを取って子供らに嫌われたくなかっただけの甘ちゃんだったのかも知れません。冒頭でも述べたように、子供にイエローカードを突き付けるなんて、子供の心に傷を負わせるだけだから控えようと思っていた節もあります。
ですが、それこそが決して正しくはない判断だったと、思い返して今回のように振り返ってみたらハッキリと解りました。
不用意なケガを負わせないためにも、サッカーを楽しんでもらうためにも、もっと厳しい目線で不正行為か否かを子供たちに教えて上げなければいけないということに気がつきました。
今後はもっと厳しい目で反則行為を取り締まる審判でありたいと、そんなことを思った次第です。
もし、サッカー審判員をされているお父さんがこれをお読みになったなら、アドバイスを頂戴できると幸いです。
ってなことで、今回はここまでっ!
(おわり)
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