少し前にこんなブログ記事を目にしました。
【少年サッカー】試合中に「グリーンカード」が出されるのを初めて見た | [N]
ボクよりもよっぽど有名なさいたまのプロブロガーさんのブログですな。
何を調べるかというと、グリーンカードの使い方についてです。
前回大袈裟にボケたので同じことは言いませんが、もちろんU-12以下のサッカーの試合で使われる主審が携帯するカードのことですからね。
真☆煩悩の赴くままに: 744:サッカー4級審判員に必要なグッズを揃えよう!の巻〜グリーンカード編〜
詳しくはこちらのエントリーをご参照下さい。
グリーンカード (サッカー) - Wikipedia
こちらがグリーンカードの解説なのですが......。
その違和感ってのが、最初のリンク先のブログにある「ナイスセーブしたGKにグリーンカード」という件と、Wikipediaの「頑張りを褒めるために主審が提示するカード」という件。
ボクの中では「グリーンカードってのはそういう類のカードでしたっけ?」という疑問が自ずと湧いてきてしまうのです。
今度は日本サッカー協会(JFA)のグリーンカードに関する解説を観てみましょう。
グリーンカードってなに?|お問い合わせ|日本サッカー協会
こちらがJFAのサッカーQ&Aにある「グリーンカードってなに?」のページです。
日本サッカー協会がU-12以下の選手の大会を対象にフェアプレーを推進するために導入しているカードで、審判がフェアプレー精神を発揮した選手に対してグリーンカードを示します。例えば、ケガをした選手への思いやり、意図していないファウルプレーの際の謝罪や握手、自チームのボールが境界線から出た時などを自己申告する行為、問題となる行動を起こしそうな味方選手を抑制する行為を示した選手、またチームが試合を通じて警告も退場も受けず、終始フェアな態度で試合に臨んだチームにも、グリーンカードが示されます。
JFAの下部組織に当たる県とか地域とか市区町村レベルのサッカー協会が主催するいわゆる公式戦などでも、主審に対して積極的なグリーンカードの提示を推奨しています。
主審は試合終了後に試合報告書を書くことになるのですが、そこにもグリーンカードをどの選手に提示したかの報告をしなければなりません(公式戦の場合)。
ボクが審判員として所属する少年団の選手も過去にグリーンカードを提示されておりまして、たいていの場合が「フェアプレー精神の発揮」や「相手選手に対するリスペクト」である場合がほとんどです。
もっと具体的に言いますね。
例えば、ボールがタッチラインやゴールラインの外に出た際に、誰かがそのボールを取りに行かなければなりませんよね。小学生が立派なスタジアムで試合なんてするワケないですから、たいていは河川敷とかのだだっ広い土のグラウンドです。外に出たボールは転々とどこまでも転がって行ってしまいます。観戦に来ているご父兄やらチームの仲間などがボールを拾ってくれることもありますが、とんでもない方にボールが飛んで行くケースも多々あります。そんな時に、相手ボール(相手のスローインとかコーナーキック)と解っているにも関わらず全速力で走ってボールを取りに行く選手に対して「キミは相手ボールなのに一生懸命ボールを取りに行って偉いね!」とグリーンカードを提示する場面には何度か遭遇しています。
時には自軍のボールであったとしても、全速力でボールを取りに行く行為は試合進行を妨げない行為(遅延行為でイエローカードを貰うのとは逆)として主審がグリーンカードを提示してくれるケースなんかもありました。
また、そのチームが一切ファールを侵さず、ベンチも頑張っている選手たちをポジティブに鼓舞する声援(「ナイスシュート!」「ナイスキー(パー)!」とか「今のはナイストライ!ドンドン行こう!」とか)を送り続けていたりすると、そのチーム全体にに対してグリーンカードが提示されたりする場面もありました。
いずれも根底にあるのは「フェアプレー」や「リスペクト」という日本が誇るべきスピリッツ。
RESPECT PROJECT 大切に思うこと|日本サッカー協会
こちらからダウンロードできるPDFも是非ご覧下さい。
また、選手は誰しもが頑張ってると思うので、誰か一人に対して頑張ってると褒めるためにグリーンカードを提示するのもどうかと思うんですよ。
まぁ、実際にその場面に遭遇したワケではないですし、状況がよく解らないから一方的に言及するつもりなどないのですが、少なくともボクは違和感を覚えたので改めて調べてみましたと、そういうことでございます。決してケンカを売ってるワケではありませんので、その点は誤解なさらないようよろしくお願い致します。
実際に主審をやってみるとグリーンカードを出すタイミングってのが難しくて、なかなか出せなかったりするもんなんですが、かと言ってグリーンカードの意味を履き違えて乱発するのもどうかと思うので、ボクも審判員として肝に命じておこうかと思った次第です。
たかがサッカーと言えど少年サッカーはまだまだそれを通じて何かを学び取る場でもあります。
部活などでサッカーに興じたことがないくせにコーチと呼ばれる日々を送るボクは、サッカーの技術的なことは教えられなくとも、サッカーという競技を通じて将来大人になった時に役立つと思われることなら教えることができると自負しております。
- 仲間や相手を思いやる気持ちを持つ
- 決められたルールやマナーはキチンと守る
- 上手くなるためには自ら進んで努力する
- どうしたら試合に勝てるか自分たちで考える
もちろんサッカーも競技ですから、試合になると勝ち負けで優劣を競い合うことになりますし、試合に出る出ないの選手選考の段階から競争は始まっておりますが、あまりそこにこだわりすぎるのもよろしくないと思うんですよ。そういう厳しい世界は早くても最高学年である6年生くらいからでイイんじゃないすかね。中学生になって部活に入ればイヤというほど現実を思い知らされ辛酸を舐めることになりますし。
だから、小学生の所属するサッカー少年団ではあまり勝ち負けにこだわっちゃいけないと思うんです。できればみんな試合に出してやりたいんです。そういう経験を通じて、自ら努力することの大切さや自分たちで考える力を養ってあげればイイんじゃないかと。
コーチや監督が試合中や練習でいちいち口うるさく指示なんか出してちゃダメだと思うんですよ。よくサッカーやってたスパルタお父さんにありガチなんですけど、かなり難しい要求を子供たちにしてしまいがちになるんすよね。それじゃあ下手したら仕事や家庭のストレスを子供たちにぶつけてるんじゃないかって思われちゃうと思うんですよねぇ。
「選手は監督のラジコンじゃない」ってよく言ってるんですけど、右だ!左だ!それボールを取りに行けっ!身体を当てろ!って指示ばかりじゃダメなんじゃないすかね?やる子はちゃんと言わなくてもやるし、そういう子を見て皆が真似ようとするし。
タッチラインを割るか割らないかギリギリのボールを最後まで諦めずに取りに行く姿だとか、無駄だと解っててもGK直前まで詰める頑張りを褒めて上げたい。例え負けていても最後まで諦めずに点を取りに行く姿勢を讃えて上げたい。ボクはそう思います。
ベンチや周りの大人たちがうるさいチーム(しかも言葉が汚い)がまだまだ多いのも事実。
でも、強いチームほどベンチが静か(監督やコーチはほとんど指示を出しません)なのも事実。
大人である監督やコーチは、子供たちの自立心を芽生えさせるためのヒントを与えてやるだけでイイと思うんですけどね。
何をすればイイのか?なんてみなまで言わずとも子供たちはちゃんと理解できるはずですから。
当たり前のことを当たり前にやることが困難な時代に、誰に言われるでもなく自発的に当たり前のことがデキる子を、主審としてグリーンカードで称賛したいと、そう思います。
ってなことで、随分と偉そうなこと言っちゃいましたが、今回はここまでっ!
(おわり)
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