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2015年7月31日金曜日

960:【四級審判員の憂鬱】2泊3日で行われたサッカー少年団の夏合宿では、サッカーの練習以外にいろいろありました!の巻

毎度どうも、さいたまの孤高のサラリーマンこと、ひろ☆さの(@Hirosano)です。

先週末(7月25日(土)〜27日(月)の2泊3日)に、サッカー少年団の夏合宿に行くって話は、前々回にさせていただきました。

真☆煩悩の赴くままに: 958:【サッカー四級審判員の憂鬱】夏と言えば合宿だっ!山籠りして集中してサッカーに打ち込もうっ!の巻
夏合宿に行く前に書いたエントリーがこちら。

今回は「その夏合宿で何をしたか?」ってな話をさせていただこうかと思います。

「何をしたかって、サッカーの合宿なんだろ?」とお思いかもしれませんが、前回のタイトルで「集中してサッカーに打ち込もう!」などと言っているにも関わらず、子供らにはただ単にサッカーをしていれば良いという環境を用意して上げるなんて、そんな甘ったれた考えなど、実は微塵もございませんっ!

むしろサッカーの練習でもそれ以外でもイイ意味での修羅場を経験してもらって、今後の人生の糧にしてもらおうと大人たちは手ぐすねを引いて待ってたりするもんなんですな。世の中ってのはそんなに甘くないんです。

っつうことで、今回は夏合宿においてサッカー以外に子供らに体験させたあれこれの話をさせていただきたいと思います。


普段よりもご飯をたくさん食べよう!

子供らにとってこの夏合宿で何がキツいかって言うと、サッカーの練習よりも、むしろ朝昼晩の食事だったりします。

まず初日に宿に着いてすぐに出された昼食である弁当の白飯の量がハンパない。各自が自宅で食べた朝飯は出発が朝早くて軽めだったので、それほど動いていなくとも何とか完食できましたが、大人でもちょっとキツい量の白飯とそれに見合うだけのオカズがプラの簡易弁当箱にこれでもかと詰め込まれておりました。この後、これ以上の量の食事が毎食続きます。

っていうのも、最近は『食育』って言葉が当たり前のように語られているように、この年代の子供たちのみならず、スポーツ選手にとって大切なのは運動前と運動中に補給する水分と同じくらい運動後30分以内に摂る食事による栄養摂取と言われております。

動いて消費するカロリー以上のエネルギー(炭水化物)を補給することもさることながら、発達途上の子供らの成長に必要なタンパク質やビタミンなどもなるべくなら多く摂取させたいところ。特に合宿などで普段よりも多めの練習量をこなす際には、失った栄養分以上の量を次々に補給させにゃなりません。

毎年お世話になってる宿の食事は量がハンパなくて、晩飯の主菜はだいたい2種類。大きめのハンバーグと唐揚げ5〜6個とか、ふつうだったらどっちかだけでいいでしょ?ってなメインのオカズが必ず2種類出ます。それに副菜と野菜・フルーツの類が少量と、白飯(ふつうのお茶碗)と味噌汁ってのが定番ですかね。

監督から毎年のように出される食事の課題ってのがありまして、
  • 好き嫌い言わず出されたものは全部美味しくいただきましょう。
  • 3〜4年生はオカズを残さず全部食べましょう。
  • 5年生はご飯のおかわりをしましょう。
  • 6年生はご飯のおかわりを最低2回はしましょう。

ってな感じになっています。

日頃のご家庭での食事の様子など知る由もないのですが、中には少食の子供なんかもいまして、だけど同じ課題を与えてそれをクリアーすることを目標にしてもらっているんですな。

それをただ黙って大人たちは見守ってりゃイイかって言うとそうじゃなくて、模範となるべく子供らの先を行く行動を取らなきゃならんから、これがまた結構キツかったりします。っていうのも、子供らにたくさん食べることを強要してるもんですから、我々大人たちが率先してお代わりしたり、お喋りなどせずに黙々と食事する姿を思う存分に見せつけてやらなきゃならんのです。当たり前ですね。

が、こちらはすでに成長しきってるおっさんですからね。それなりに日中にカロリー消費しとかなければ食べたら食べた分だけ太るワケですよ。どうせ子供らを寝かしつけた後、夜は遅くまで呑んだくれるんだし。

いの一番にお茶碗に盛られたご飯をたいらげた大人たちからご飯のおかわりがはじまるのですが、子供たち、特に6年生はそれに負けじと喰らいついてきます。大人は自分の好きな量のご飯を加減して盛るんですが、中にはとても優しい子供想いのコーチもいまして、率先してマンガに出てくるような山盛りご飯にして上げたりします。合宿にはお母さんは来てませんから母親代わりってなワケですな、なんてこころ優しい人なんでしょう。

食事の後のスケジュールも決まってますので、一定の時間で食事はお開きになるんですが、もちろんまだまだ食べ終わっていない子供もいるんですよ。特に3〜4年生の子供たちとかが特にね。ほぼ初めて親許を離れて同じ年代の子供らと集団生活することになるんで嬉しいし楽しいんでしょう。食事の時間なのに食べずにペチャクチャ喋ってばかりだったりするのは容易に想像できること。もちろん「はやく食べろよぉ〜」と促したりはするんですが、それでも遅いもんはとことん遅い。6年生がご飯3杯食べる間にひと口くらいしか手をつけてないなんてのはザラでした。

食事終了時間になったらキャプテンが「ごちそうさまでしたっ!」と挨拶して、大人は食堂から姿を消して宿の外にあるくつろぎスペースにて涼んだりタバコを吸ったりします。その場を離れるのにも意味がありまして、食事が終わらない下級生の面倒を上級生に見させるためなんです。応援したり手伝って上げたりと、いろんな方法で子供なりにこの事態の収拾に努めているんだと思うんですが、そこで協調性やら連帯感なんかを養うことになるとイイんですけどね。狙いはだいたいそこあたりにあるんですけどね。

まぁ、そんなこんなありまして、子供らは与えられた課題をクリアーしようと頑張って食べました。去年は最後まで食べられなくて泣きながら食事をしていた子も、高学年になって泣かなくなりましたし、そんな成長した姿を見守ることが出来るのって、なんか嬉しいもんなんですよ。

こんな光景が繰り広げられるのは晩飯だけでなく、朝飯も昼飯もこんな感じです。例えば、朝飯は最低でも焼き鮭でご飯を1杯、納豆(ひとり1パックずつ)でご飯を1杯、味噌汁とお新香でご飯を1杯......とかね。これから練習だっつうんで余計に食べちゃうんですな。

昼飯は昼飯で山盛りカレーライスを最低でも2杯といったような感じですわ。あれだけ朝飯を食べたにも関わらず、カレーライスがまるで飲み物のようにスルスルと喉を通っていくんだから、とっても不思議。←よく噛めよ。

するとどうなると思います?

子供らは始終グラウンドで動きまくるスタミナが付きますし、我々大人も普段よりも身体を動かすようになって非常に健康的になるんですな。←それは死活問題だから。

普段の小学校の校庭でやる練習よりも少しキツめな練習にも子供らはついてこられるようになりますし、大人たちもそれに負けじと子供たちが坂道ドリブルをしている横を大人が猛ダッシュで駆け上がって行ったり、学年対抗の400m/人リレーに大人チームが参戦したりします。

ただ単にキツい練習をするのではまだまだ幼い子供たちは飽きてしまいますが、食事をキチンと摂ると楽しく練習することが出来るんです。

不思議なのは、子供らは全然肥らないんですけど、大人はみんな腹回りがトンデモないことになってるんですよ。

大人たちもそれなりに動いていたハズなんです。コーチや監督はただ単に座って指示出すだけじゃなくて前述の通り子供たちと一緒に動いていたりだとか、審判であるボクなんかも一緒に練習に参加したり裏方としての仕事に勤しんだりしていたハズなんですが......。

ちなみに裏方の仕事ってのは、普段はお母さん方がやってくれるようなことです。真夏の炎天下で1日中練習するワケですから、日除けのタープを設営したりとか、ドリンク(スポーツドリンクを水で2倍に希釈したものとか麦茶とか)を大きめ20リットル以上ののジャグ数個分を手分けして作ったりとか、それに使う板氷とミネラルウォーターを大量に買い付けに行ったりとか、バケツに水を汲んでおいて休憩になったら濡れタオルを子供たちに配って首に当てさせるとか、そんなことです。大した運動ではないんですけどね。それでも普段やらない仕事が増えているので、いつも以上に動いてたハズなんすけど。

それなのに、合宿から帰ってきて家で体重を計ったら3kgも増えてるんですよ。

ホント、不思議なんだよなぁ......。


与えられた役割をこなしてチームとして機能しよう!

サッカーは言わずと知れたチームスポーツです。与えられたポジション(FWとかMFとかDFとかGK)に応じたそれぞれの役割を果たしてはじめてチームとして機能します。多少の個人プレーは必要ですし、そんなスーパープレーヤーがひとりいればチームが活性化するのも解る話ではありますが、ワガママや独り善がりなプレーはあまり褒められるものではありません。

そんなチームとしての一体感や連帯感などを醸成するためか、監督やコーチは各学年それぞれに生活面での役割も付与します。

6〜3年生がひとりずつの4人でひとつの班を組んでおります。この班単位で食事の座席が決まっていたり部屋が同じだったりグラウンドの行き帰りに並んだりと、そんな感じで少人数での団体行動を取ることになりまして、自ずと6年生が班長で5年生が副班長ってことになります。

6年生は後輩の面倒を見て、5年生はそのサポートをすることになりますし、4〜3年生はお兄さんお姉さんの言うことをちゃんと聞かなければなりません。その子が家で兄や姉だろうが弟や妹だろうがここでは一切関係ありません。普段とは違った序列付けに戸惑う子供も中にはいたりしますが、そういう経験をさせることが成長に繋がることは確かですし、今後大きくなるにつれて必ずそんなしがらみに出会うはずなので、ここでの経験が役に立つ時も来るでしょう。

また、それ以外にも課題があります。主に練習が終わって食事を摂った後の寝るまでの時間にすることなんですが、

  • 全員サッカーノートをつけましょう。
  • その日の練習を振り返ったり感想をA4用紙1枚に日記のように書かせます。それを寝る前までに書いて班長である6年生に提出しなければなりません。

  • お風呂は高学年から順番に入りましょう。
  • 別に年功序列ってワケではなくて、それぞれの役割があるのでそういうことになっちょりますです、はい。ちなみに大人は飲んでるのでまだまだ風呂には入りません。

  • 3〜4年生は布団を敷きましょう。
  • 各部屋の寝床は布団です。マットを敷いて、その上に敷き布団を敷いて、ちゃんとシーツを掛けて、掛け布団と枕をセットすればお仕事終了。

  • 5年生は全員分の練習着の洗濯をしましょう。
  • 5年生には重要なミッションが。各自が洗濯ネットに入れた洗濯物と名前が書いてあるピンチハンガーを洗濯機のある外まで持参して5年生に預けます。後はひたすら洗濯機を回して終わったら干すの繰り返し。昨年までは二層式だった洗濯物が全自動洗濯機に変わってましたので、今年の5年生はラッキー!

  • 6年生は班長でミーティングに参加しましょう。
  • 子供らの中では年長者で合宿経験も豊富な6年生は、あらゆる場面で後輩たちのお世話係にならなきゃならないから大変。各自が書いたサッカーノートを集めてからミーティングルーム(と言う名の監督の宿泊部屋)へと集まります。ここでは各部屋の状況報告やその日にあったトラブルなどを全てさらけ出して、みんなで解決のための話し合いをします。たいていの場合は微笑ましいトラブル話が続くんですが、最後には必ず「お前ら6年生がちゃんと面倒を見てやらないから、そういう事になるんだっ!」ってなダメ出しを喰らう会になってたりします。最上級生はツラいやね(笑)。


実はこういった役割付与がチームスポーツにも役立ちまして、それぞれの与えられた役割をちゃんとこなさないと勝てる試合も取りこぼすし、立派なプレイヤーにもなれないんだぞってな、一種のすり込み(洗脳ではない)を行うイイ機会になっております。

決められたルールを守らなければファールになるし、イエローやレッドのカードをもらうスポーツですから、普段の生活の中でもルールをちゃんと守るというクセをつけるのです。

また、ただ面倒くさいという理由だけで与えられた役割をこなせない子は向いてないスポーツでもあります。試合に出たとしてもボールに触れる時間なんて1分あるかないかなんて当たり前。その他の時間はオフ・ザ・ボールの動きをして相手DFを撹乱しスペースを作らなければならない献身的な動きを要求されたりします。

普段の生活から何事も面倒くさらずに、大人が言わずとも率先して動くことが出来る子はサッカーも上手になると、そういう誘い水を出しておいて、実は立派なサッカープレイヤーを育てるのではなく、社会に出ても通用する大人を育てようとしていたりもするのです。

プロのJリーガーになれる選手なんて、ホンの一握りの選ばれし天才たちの住む頂きの話ですからね。

少なくとも、ウチの少年団は近視眼的に目の前の試合を勝つ事だけを考えた指導は行っておりません。幼い彼ら彼女らには、まだまだ輝ける未来が待っているのですから。


ということで、実はサッカー少年団の夏合宿ってのは表の話で、裏ではこんな壮大な計画を練っている大人たちがあれやこれやと画策してるってな話だったというワケです。

もちろん子供たちはサッカーを上手くなりたい、試合に勝ちたいと頑張っていますが、そういう努力が実はサッカー以外でも役に立つって事をいつか解ってくれたらイイなぁ〜ってね、そう思います。言わないですけどね、今は。

ってなことで、だいぶ長くなりましたので、今回はここまでっ!

(おわり)

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