シリーズでお送りしております2015年度の全国少年少女草サッカー大会参戦記ですが、前回は大会中日の3日目のほんの束の間の休息の様子をお送りさせていただきました。
真☆煩悩の赴くままに: 970:【夏の思い出】全国少年少女草サッカー大会(通称:清水カップ)奮闘記〜サッカー祭りと監督者交流会〜の巻
この回は試合の話は一切ありません。
果たして、我がチームはどこまで上位に食い込めるのでしょうか?また、2年前の先輩チームが残した115位という記録を破ることができるのか?これにも注目したいと思います。
順位別トーナメント戦の会場
順位別トーナメント戦は各ブロックの同じ順位同士16チームが集まりまして、2つの会場に8チームずつに別れてトーナメント戦を行います。各会場で行うトーナメント戦で1位〜8位を決めるのですが、その2つの会場間での試合は日程的に組めない状況となっておりますので、最終的には同じ順位が2チームずつになることになります。
つまり、8位トーナメント戦では1位が2チーム、2位が2チーム......8位も2チームとなりまして、全体の中では113位が2チーム、115位が2チーム、........127位が2チーム、といった結果になることになります。
その8位の順位別トーナメント戦が行われる会場ですが、JR清水駅から東海道本線にて東京方面に2駅ほど戻った由比駅が最寄りの、同じ清水区内にあります由比中学校にて行われることが決まっております。
これまでは宿舎のホテルから歩いて行ける距離の範囲にて試合が行われていたのですが、ホテルから約13kmの距離となる新たな会場までは徒歩以外の移動手段が必要になります。
電車に乗っての移動でもよいのですが、由比駅からも約2kmと試合前のウォーミングアップにしてはちょっと長い距離を歩くことになってしまいます。しかも大会4日目の第1試合に出場する我がチームは、9時から始まる試合に備えて8時には会場入りしたいところ。
ということで、大会3日目午前に8位が確定した段階で、すぐにでも次の会場までの移動手段を手配しなければなりませんでした。が、そこはちゃんと大会実行委員会も考慮して下さっており、前日の15時までに大会本部に連絡すると運転手付きのバスがチャーター(有料)できるシステムとなっております。
もちろん、もう何年もこの大会に来ている我がチームの代表がその辺りはちゃんと押さえて下さっておりまして、朝の7時20分にホテルを出発して会場現地に向かうことになりました。
ちなみにこの日は前夜から降り続く雨が止まないお天気でして、このまま日中も降り続くという予報。実際に試合会場である由比中学校に到着してみると、校庭はこの有様でした。
ピッチ内のあちこちに大きな水溜りが出来ており、恐らくはドリブルが通用しない状態。パスもあまりにも弱いと途中で止まりそう。
さて、この特殊な状況にてどうやって試合をするかなんですが、監督の作戦もさることながら、その作戦通りに選手たちが動けるかどうかが試される試合になりそうです。監督の立てる戦術を子供たちはちゃんと理解できるでしょうか?
それにしても、ピッチはまるで田んぼのような状態。転ばないなんて絶対にあり得ないでしょうから、出場する選手たちはみなドロドロになるんでしょうね。きっと帰りのバスも泥だらけになるんだろうな。バス会社の人に怒られちゃうんじゃないか?それも織り込み済みなのかな?
順位別トーナメント戦第1試合
あまりにも雨足が強かったりピッチ(校庭)の状態が劣悪だった場合には、PK戦だけで決着をつけるとか、コイントスやジャンケンで勝敗を決めるとか、隣接する体育館の中でフットサル対決になる......なんていう話もあったんですが、何とかギリギリ試合ができる状態にあり、中学校サイドも試合開催可能と判断して下さいました。なるべくならちゃんとした試合をさせて決着をつけさせたいですからね。
ということで、我がチームが出場する第1試合は時間通りに無事に行われることになりました。
対戦する相手は愛知県のチーム。実はこのチーム、昨日のサッカー祭りでリフティング芸の舞台の真向かいにいたチームでした。その時に引率もしていたコーチの方のお顔を拝見して気付きました。だって中田英寿そっくりなんだもの。まさか同じ順位別トーナメント戦で対戦するなんて思ってもいませんでした。
その中田英寿似の親御さんとは、試合ができるかできないかのギリギリの状況の時に少しだけお話しさせていただきました。グチャグチャの校庭を見つめながら、互いに「試合やらせてあげたいですね〜」と。想いはどこの親御さんも同じっつうことですわね。
さてさて、我がチームの作戦ですが、足の速い選手2名をSHというよりは前線により近いWGのような左右の位置に配しまして、カウンター気味の速攻を狙う作戦になっております。ドロドロのピッチで如何に速くゴール前までボールを運び得点することができるか、特殊な状況ならではの勝つための布陣です。
右サイドにはチームで最も足の速い19番の6年生、左サイドには昨日までトップ下を務めていた悩める9番のキャプテン、そしてワントップのFWにはポストプレーもできて当たりに強く、小回りで反転して前を向ける背番号1番の5年生がつきます。
ウチのチームは先制点を取ると調子に乗ってドンドン得点を重ねるんですが、逆に相手に先制されると意気消沈してなかなか逆転できないというわかりやすい特徴を備えております。なので、何が何でも先制点を取って勢いをつけたいところです。
この8位トーナメント戦はやはり似たような実力のチームが集まっているようで、試合では一進一退の攻防が繰り広げられます。ボールはぬかるみに捕まり途中で止まりますから、ドリブルする際はいつもより大きく強く前に蹴らなければなりません。相手の出した絶妙なスルーパスも水溜りで止まり、ウチのDFが何とかクリアーするといった危ないシーンも多々ありました。
均衡が破れたのは前半半ばでした。相手のペナルティエリア手前でファールがあり、ウチの直接フリーキックとなります。
キッカーはチームで一番のテクニシャン、今大会はCBを務める背番号10番の選手。確かな成長の跡が見られ、この試合でもしつこく粘りのあるディフェンスでここまで完璧に相手を抑えています。そのCBが前線に上がってくると同時にSBの選手が自陣真ん中寄りにスーッと移動する辺りも、大会当初には見られなかった連携。子供らは子供なりに考えてプレーをするようになったっつうことですね。
この10番の蹴った直接フリーキックは相手DFの作った壁に当たり山なりとなり、相手GKが届かない絶妙な高さでゴールに吸い込まれます。待望の先制点ゲットです!
その後は相手も前掛かりになり防戦一方となりますが、ボールを持った相手選手に対して2人〜3人が早めに寄せて身動きを取れなくし、すかさずボールを奪って何とか凌ぎます。
前半は、直接フリーキックから得た虎の子の1点を守り切って終了となります。
後半は前半終盤とは打って変わって、我がチームも攻めに転じます。
やはり半ばまでは攻めつ守りつの繰り返しになりますが、チーム一の俊足である右WG19番が快速を飛ばしてぬかるみの中をドリブルしながら疾走して相手を掻き回します。何度かクロスを上げますが、それを受ける選手がぬかるんだ足下にすくわれて転んだり、相手GKがうまく飛び出してセーブしたりと、なかなか得点までは結びつきません。
相手チームも粘り強く攻撃の手をなかなか緩めません。前半とは逆に自陣ゴール前でウチがファールを犯し、相手に直接フリーキックを与えてしまいます。が、壁の真ん中に立ったキャプテンが顔面でセーブしてくれて事なきを得ます。
そんな中、前半から終始走りっぱなしの19番がやってくれました。ポストプレーをして粘るトップの1番の選手が右サイドにボールを流します。そこに走り込んできた19番がGKと1対1になります。シュートは一旦はGKに弾かれますが、諦めずに詰めた19番の足下に返ってきてそれをゴールに流し込んでゴール。これで待望の追加点、2点目が入りました。
ね、やっぱり先制点を取ると調子があがるでしょ。
この19番の選手は普段は大人しく、決してサッカーの技術力も高い方ではないのですが、この爆発的な俊足をもって過去にも雨の中で活躍したことがありました。要するに重馬場が得意な選手なんです。ステイゴールドなんです(古い?)。見事に監督の作戦が功を奏しました。
点差は2点、残り時間はあと5分足らずとなっても、相手は諦めずに反撃に出ます。
はっきり言って、技術的には相手の方が一枚上手でしょう。パスもちゃんと通るし、個々人の足元の技術もしっかりしています。ですが、ウチのチームの選手たちはそれを跳ね返す頑張りを見せます。終始動き回り、ボールを持った相手に何度も何度も食らいつき、なかなかゴール前までは進ませません。
そんな中、やはりセットプレーからでした。FWの1番が相手陣内に入った直後に相手に倒されてフリーキックを得ます。早いリスタートで7番のSBが前線右サイドにボールを放り込み、そこに走り込んだ選手がゴール前に低い弾道の速いクロスを上げましたが、これが相手DFのクリアーミスのオウンゴールを誘い、思いもよらない形で3点目をゲットしました。
その直後に試合終了を告げる笛が鳴り、これで試合終了となりました。
同じくらいの実力同士の対決でしたが、結果的には3-0での快勝。得点もさることながら、最後まで諦めずに走り続け守り続けた我がチームの執念が実った試合となりました。
断続的に降り続く雨の中、足場の悪いピッチでプレーするということは、いつも以上に体力を消耗するものです。
ですが、選手たちはこれまでの不甲斐なさが嘘のように最初から最後まで闘い続けることができました。
監督から「不戦敗」と言われた昨日の敗戦後のあの一言がかなり響いているのでしょうか。誰に言われるまでもなく、選手一人ひとりが自分の役目以上にピッチを縦横無尽に走り回り、味方をカバーし、全力で闘った成果が3-0という結果にも現れたのだと思います。
......しかし、不安な要素がないわけでもありません。
というのも、悩めるキャプテンの調子が未だに上がらないのです。右サイドの19番の選手と同じく、ボールを持ったら縦へ縦へと切り込んで行くことを監督も考えてのポジションチェンジだったかと思うのですが、ハーフライン付近でパスを受けた際、前が空いているにも関わらず、マークから外れている選手を探してすぐにボールを預けてしまうのです。要するにプレーが消極的なままなんです。
19番が右から上げてくるクロスに何度か飛び込みましたが、1回もゴールを決めることが出来ませんでしたし、なんか思い切りが足りないというか、らしくない感じがするのです。
果たして、9番を背負ったキャプテンは、この大会期間中に復調できるのでしょうか?
ということで、気になる第2試合の模様は次回にジックリとお送りしたいと思います。
ってなことで、今回はここまでっ!
(おわり)
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