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2015年9月4日金曜日

972:【夏の思い出】全国少年少女草サッカー大会(通称:清水カップ)奮闘記〜順位別トーナメント戦中編〜の巻

毎度どうも、さいたまの孤高のサラリーマンこと、ひろ☆さの(@Hirosano)です。

前回は大会の締め括りとなる最後の闘い「順位別トーナメント戦」の第1戦の模様をお送り致しました。

真☆煩悩の赴くままに: 971:【夏の思い出】全国少年少女草サッカー大会(通称:清水カップ)奮闘記〜順位別トーナメント戦前編〜の巻
勝った試合を書くのは楽しいなぁ。

悪天候の中、監督の言葉少ないゲキにより突如闘うことに目覚めた我がチームの選手たちは、見違えるような活躍を見せて見事3-0で勝利を収めました。

これで全体の順位では120位以上が確定したことになります。残る試合はあと2つ。もちろん全部勝って、8位トーナメントで優勝したいもんです。

では、気になる順位別トーナメント戦第2試合の模様をジックリとお送りしたいと思います。


順位別トーナメント戦第2試合

大会4日目午後には順位別トーナメント戦の第2戦目の試合が、同じく雨の降る中、由比中学校のぬかるんだ校庭にて行われました。雨は途中で降ったり止んだりで、水捌けのよい砂地の校庭は乾いたり水浸しになったりを繰り返しております。

実はこれよりもひとつ前の試合の途中で、この地域に大雨洪水雷注意報が発令されまして、一旦試合が中断していたんです。厄介なのが雷でして、規定では試合中に落雷の恐れがあれば即刻試合を中断・中止にするのが当たり前になっておりまして、その判断は主審に委ねられております。

このままだとジャンケンで勝敗を決することになっちゃうかも......と心配していたんですが、その後天候は回復せずとも奇跡的に雷注意報だけは解除されまして、中断していた試合も再開となりました。よかったよかった。

第2試合の対戦相手は大阪のチームです。午前中の試合をスカウティングした限りでは、背番号6番の選手が3得点してますので要注意。後半から出場してきた小柄な10番の選手も足下の技術力があり、キーマンになると思います。また昨日までの試合では6番と並んで9番の選手もかなりのゴールを決めているので、そちらも警戒しないといけません。

恐らくチームとしての実力は拮抗しているはずです。1試合目のような弛まぬ粘り強いディフェンス力があれば、きっと完封に抑えることもできるでしょう(希望的観測ですが)。後は1試合目のように先制点が取れるか取れないかが勝敗の鍵になるかと思います。

我がチームは1試合目と同じ布陣。左右の足の速い選手が相手ゴール前まで切り込んで、全体的に押し込む作戦です。

前半は一進一退の攻防を繰り返します。互いに相手のストロングポイントをキチンと抑えた的確なディフェンスで、なかなか攻めきれない、ジリジリとした我慢比べが続きます。

相手もウチと同じような作戦で、サイドの足の速い選手が一気に攻め込んできますが、GKがナイスセーブを繰り返し、相手に得点を許しません。ちょうど相手の右サイド前方に大きな水溜りがあり、ボールがそこで止まってしまうため、相手のチャンスがことごとく潰されてしまいます。ウチにとっては非常にラッキー。後半はこれを教訓とすれば、ウチには別のチャンスが舞い込んで来るに違いありません。

一方、ウチのチームの攻めはどうかと言いますと、右SB7番の選手からのスルーパスを右サイドの俊足WGである19番が相手陣内にて受ける攻めを見せますが、これ以外に攻め手がなく攻撃が単調で決め手に欠ける内容に終始してしまいます。

コーナーキックを得て、相手ゴール前でのチャンスになる場面もありましたが、ゴールにボールを押し込むまでには至りませんでした。

相手に攻め込まれる危ない場面もたくさんありましたが、CBの10番を中心に、左WGのキャプテンも後方でカバーに入って守りを固め、ほぼ全員で守備するサッカーで、前半はなんとか0-0のスコアレスのままで終了します。

ハーフタイムで体力の消耗の激しい右WGの19番は一旦ベンチに留まり、代わって背番号4番のドリブルの上手い5年生が入ります。また、トップの背番号1番のFWも休憩のために後半早々にベンチに下がり、代わりに背番号23番の小柄な6年生が投入されます。何度も交代できる少年サッカーならではの作戦なんですが、数分間ベンチで休ませた後に再度試合に投入する作戦だと思います。

相手チームも後半途中から背番号10番の上手い選手を投入して来ました。が、これには粘り強いディフェンスが得意な6番の選手が、CBの前で執拗にマンマークして仕事をさせません。

交代で入った選手たちは、短い出場時間を予め告げられているのか、他の選手以上に一生懸命走り、執拗に相手に食い下がって、期待していた以上の頑張りを見せます。攻撃面では課題が残るものの、防御では相手ボールを何度も奪い、的確にピンチの芽を摘んで行きます。きっと、雨の中で諦めずに奮闘する仲間の姿を目の当たりにして、思うところがあったのでしょう。

昨日までとは見違えるような選手たちの頑張りに、周囲で応援している我々大人たちも大声で声援を送り続けます。

後半開始から数分経ったところで、想定通りに1番と19番の選手が交代でピッチに戻ってきますが、前半同様に一進一退の攻防が繰り返されるまま。このまま行くとPK戦に突入か......と誰もが思い始めた試合も終盤に差し掛かったその時でした。

右サイドの19番が攻め込む単著な攻めでは通用しないとなると、頼みの綱は左サイドの悩める背番号9番のキャプテンを起点とした攻めです。後半はちょうど左サイドがベンチ寄りになったため、監督やコーチも左WGの9番に指示を出しやすくなってます。

相手からボールを奪った途中出場の背番号3番の選手から左WGに位置する9番のキャプテンにボールが渡った直後のことでした。

サイドラインギリギリでボールを受け取った9番が次なるパスの相手を探す仕草を見せた、その時です。

「前が空いてるぞっ!」と至近距離にあるベンチからコーチが声を掛けます。

いや、声を掛けるなんてレベルの大きさではありませんね。なんせピッチの反対側にいる我々にまでその声は届いてましたから。

「前が空いてる、自分で行けっ!」

その声にまるで我に返ったかのような反応を見せたキャプテンは、すぐさま相手ゴールへと向きを変え、ドロドロになったピッチの上を、ただひたすら力強く、徐々にスピードを上げつつ、前へ前へと突き進み始めました。

相手のDFも黙っちゃいませんので、すぐに身体を寄せて来ますが、ガッシリとした筋肉質のキャプテンが繰り出すテンポの良いドリブルを止めるまでには至りません。

一緒に観戦していたサッカー経験のある審判仲間のお父さんが「ああいう速いテンポで前へ前へと蹴ります出されるドリブルって、DFが一番イヤなドリブルなんですよ。」と仰ってました。

確かにボールを持った背番号9番は相手DFをものともせず、スルスルと相手陣の左サイド奥深くまで突き進みます。

ゴールライン寸前まで突き進んだ時には、それに連動して相手ゴール前の中央に、トップの背番号1番のFWがややゴール左寄りのニアサイドまで詰めていました。

それをチラッと見た9番は、相手DFを背中に抱えつつ、左脚でややマイナス方向にグラウンダーのクロスパスを放ちます。マイナス方向のパスですから、オフサイドはありません。

そのパスをFW1番が左ゴールポスト手前で受けます。その場でクルリと反転し、やや遠目になってしまったボールに一生懸命に右足を伸ばします。

それは、上手く足首を使って蹴ったような、フワッとした勢いのないシュートでした。

軽く弧を描いたボールは、近寄ってきた相手GKの脇をすり抜け、反対側のゴールポストに当たります。そのままゴールラインを割って左のサイドネットに吸い込まれました......。

ゴォォォールっ!!

今まさにPK戦に突入するだろうことを覚悟し始めた、その直後の劇的な先制ゴールでした。

クロスを放ったままドロドロのピッチに倒れ込んでいた9番キャプテンと、一生懸命足を伸ばして何とかシュートを決めた1番が跳ねるようにして飛び起き、歓喜のハイタッチ。

センターサークルにゆっくりと肩を組みながら戻る二人を仲間も満面の笑みで迎えます。

ここまで何度も奇跡的なスーパーセーブを見せたGKもセンターサークルを超えて駆け寄り、大きな仕事を成し遂げた2人の選手の労をねぎらいます。

ベンチやその反対側の応援エリアからも「よっしゃああああっ!」と叫ぶ声が聞こえます。っていうか、一番大声で叫んでいたのはボクかも知れません。

子供たちも、それを見守り応援し続けた大人たちも皆笑ってます。

そしてこの後、反撃に出た相手にコーナーキックを連続して与えてしまいますが、これを何とか凌ぎまして、ほどなくして主審が試合終了を告げる笛を吹きました。

この劇的な1点が決勝点となり、順位別トーナメント戦第2試合も1-0で勝利することができました。

この大会で初めての連勝。大会4日目にして初めて負けなしで1日を終えることができました。


大粒の雨が降り続き、水溜りだらけでドロドロという最悪のピッチコンディションの中、突如として闘うことに目覚めたウチの選手たち。昨日までの体たらくが嘘のように、見違えるような頑張りを見せてくれました。

変わったのは、終始走り続ける姿勢と、互いに声を掛け合いサポートする姿でした。

大会が始まった当初は、そんなことすら出来てないチームだったのです。が、誰に言われるともなく、自分たちで気づいて、それを最後までやり抜いたのです。

「最後まで諦めない」「全力で闘い抜く」「チャレンジし続ける」という永遠のテーマを、その身をもって体現してくれた彼らを見ていたら、知らず知らずのうちにボクも大声で叫んでいました。

応援している大人たちは皆さん声を枯らし、劇的な勝利の後には涙が溢れる始末。

もちろん雨で頬が濡れたことにしてありますが、正直言ってここまで感動的なシーンを目の当たりにするとは思っていませんでした。

......ホント、親バカですみませんね。

さて、残るはたったの1試合。大会5日目最終日には順位別トーナメントの決勝戦が行われます。

場所は大会4日目と同じ由比中学校のグラウンド。縁起がイイ場所で最高の締め括りと行きたいところですな。

......と、ホントは今回で試合の模様は終わらせるつもりだったのですが、ついつい熱が入りまして、かなり長めの実況となってしまいました。

なので、最終試合の模様は次回に持ち越しとさせていただきます。あしからず。

ってなことで、今回はここまでっ!

(おわり)



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