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2015年6月17日水曜日

943:【ネタバレあり】月9ドラマ&原作小説『ようこそ、わが家へ』の感想など...の巻

毎度どうも、さいたまの孤高のサラリーマンこと、ひろ☆さの(@Hirosano)です。

だいたい平日の夜は呑んだくれているかブログ書いてたりしますので、ワンクールで1本観ればイイ方なのが毎週連続でやってるTVのドラマってヤツなんですが、今回はたまたま第1話を観て興味がそそられたフジテレビの月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』に見事にハマってしまいましたので、その話なんかをしたいと思います。


ドラマ『ようこそ、わが家へ』の当たり障りのない感想

ようこそ、わが家へ - フジテレビ
こちらがドラマの方。

たまたま早く帰った月曜日の夜に第1話を観たのがこちらの月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』でした。

何の予備知識もなしに観始めたところ、いつもの月9らしからぬ(と言うほどこの枠のドラマは観てない)、暗くオドロオドロしい感じの始まり方という意外性もあって、いきなり興味を惹かれてしまいましてね。

主人公とちょい役をジャニーズ系で固めたところだけが何となく月9っぽいものの、重々しい雰囲気がツボにハマったんでしょうか。粘着質なストーカーにつきまとわれる家族の苦悩と戦いの日々を描いたものだと言うことでして、よくよく調べたら原作はあの半沢直樹シリーズでお馴染みの池井戸潤の小説だって言うじゃありませんか。そりゃあ面白いに決まってる!

それも決め手になってか、ここ最近は月曜日に飲み会は設定せず、書斎のドトールにも寄らず、21時少し前に帰宅して晩飯を食べながらこのドラマを観るのが習慣となっておりました。

「主人公の倉田健太(相葉くん)とその家族につきまとうストーカー犯人は誰なのか?」ってのが最大の謎であるいわゆるミステリーちっくな話なんですが、よく出来たストーリーになっておりまして、複数の恨み辛みが幾重にも折重なっており、なかなか真相に辿り着かないもどかしさを心地良く感じつつも、今週6/15(月)の最終回まで見逃すことなく、無事完走して楽しく観させていただきました。

いやいや、ホントになかなか面白かったですよ。主人公の志村動物園的な演技力はとりあえず置いといても、久々にドラマを観て楽しめました。特に、そのストーリーの緻密さに感動しました。

......ただ、最後のシーンを除いてって条件がつきますけどね。それについては後述します。


小説『ようこそ、わが家へ』の当たり障りのない感想

ボクの悪いクセなんですが、こういう週1で放映する連続ドラマに興味を示し出すと、その先のストーリーが気になって気になって仕方なくなって、原作のマンガや小説があるのなら、そいつを先に買って読んでしまうというどうしようもない悪癖がありまして。

今回の月9ドラマ『ようこそ、わが家へ』も最終回一歩手前まで我慢していたのですが、AmazonでKindle版が出てることを知り、ついついポチってしまいました。

もちろん、ドラマの最終回前までにキチンと読み終わりまして、最終回は原作との違いなんかも楽しみながら観ることができました。

ちょっとだけ中身に触れますと、原作の方はドラマと違って、倉田健太(相葉くん)が主人公ではないんですよ。主役はその父である倉田太一(寺尾聡)なんです。

よくよく考えてみると、そりまゃそうか!ってな話でもあるんですよね。

この半沢直樹シリーズもそうなんですが、

作者の池井戸潤が元銀行員ってこともあるからなのか、この話も銀行員である倉田太一が主人公なんですね。倉田家の家族がいろんなストーカー被害に遭うところは変わりないものの、ドラマよりも倉田太一の出向先のナカノ電子部品での横領事件の話の割合が多少多かったりするんです。

主人公は違うんですけど、原作は原作でとても面白くて、先週のウィークデーに半徹してまで一気に読んでしまいました。翌日は眠くて仕事が辛かったなぁ。これも悪いクセなんですわ。


原作小説とドラマの違い

主人公が倉田健太(相葉くん)じゃなくて倉田太一(寺尾聡)ってところ以外にもところどころ設定に違いがあります。

まずドラマの中の倉田健太は社会人(デザイナー)でしたが、原作小説では大学生でしたし、その妹の女子アナを目指して就職活動中の女子大生である倉田七菜は原作小説では高校生。

なので必然的にドラマに出てきた神取明日香(沢尻エリカ)も原作小説では出てきません。

大筋のストーリーに大きな違いはありませんが、前述の通り配役の都合による年齢設定の違いもありまして、微妙に異なる部分があります。

例えば、電車に乗る時の押し問答でストーカー被害が始まるところは同じですが、ストーカー犯になる男に注意するのはドラマでは倉田健太(相葉くん)ですが、原作小説では倉田太一(寺尾聡)だったりします。

また最終的に犯人を特定するに至ったヒントも、ドラマではクロームハーツ的なペンダントでしたが、原作小説では海外ブランド物のバッグだったりとか。

あと、犯人の自転車のサドルにイタズラをしたのがドラマでは神取明日香(沢尻エリカ)でしたが、原作小説では最終的な犯人ではない別の自転車のサドルにイタズラしてて、しかもそれは長男の倉田健太の仕業になってたりします。

そんな微妙な違いはあるものの、全体的なテーマやら軸みたいなものはそれほど大きく違ってはおりませんので、似たような別物の作品として楽しんでいただければイイんじゃないでしょうか。


ドラマ版『ようこそ、わが家へ』の良かったところと悪かったところ

原作小説のストーリーも秀逸なんですが、ドラマ版では更に厚みを持たせて多重ストーカー被害としているところが何とも複雑で素晴らしいかと思います。厄年と天中殺と大殺界がいっぺんに倉田家を襲ってしまったようなかなり不幸な話ではあるものの、原作にはない伏線とかよく練られていて、素直に面白かったと思います。

また、原作が池井戸潤ってことで、TBSの 『半沢直樹』を彷彿とさせるオマージュ的な演出もありましたね。えぇ、そうです。横領のカラクリがバレて、ナカノ電子部品営業部長の間瀬博樹(竹中直人)が、倉田太一の部下である西沢摂子(山口紗弥加)に謝罪するシーンですね。なかなか謝らないところなんか、半沢直樹に出てくる大和田常務(香川照之)かと思っちゃいましたよ、えぇ。

まぁ実際にはあんなに大袈裟ではなかったんですけど、「やっぱ、意識してんじゃねぇかなぁ〜」くらいには感じてしまうほどでした。脚本家も演出も違うのにねぇ。これはこれで面白かった。

あと、主人公の倉田健太(何度も書くけど相葉くん)がストーカー犯の赤崎信士(市川猿之助)を自宅マンション前まで追い詰めて「僕は貴方を絶対に許しましぇん!」って言ったところなんかは、『101回目のプロポーズ』の武田鉄矢のセリフ「僕は絶対死にましぇ〜ん!」を思い出させる名演技で......

えっ?!違う?

んじゃまぁ、そういうことにしておきますか。

と、ここまでが良かったところでして、この後はボロクソな感想になっちゃいます。

兎にも角にも残念でたまらないのが、最終回のラスト。これが何とも言い難いんですが、最低でかつ最悪な終わり方だったんすよ。

いやいや、七菜が静岡のTV局女子アナとしてめざましTVのお天気コーナーに出てるところではないですよ。マスコミの就活は一般企業よりもかなり早いので、TVに出てるってことは事件から1年以上経ってるんですよね、たぶん。それが理解できる描写として描かれていたんだと思います。

ダメなポイントはそこじゃなくて、健太(相葉くん)が仕事に出掛ける時、また家の玄関先の花壇が荒らされてて、家の向かいにあるスロープに怪しい人影が......ってところ。

これって何なの?

そんなに倉田家って周りから恨まれるような家族なの?

ホントに必要な描写だったんかなぁ......。まるで意味がわからないんですけど。

続編だか2時間スペシャルへの布石か何かなのかしら?

もちろん原作のラストとは全然違いますし、ああいうことをすることによって観終わった後の気持ち悪い後味がこれでもかって残りますので、それを脚本家や演出家が意図してるんなら、大失敗ですね。それまでのストーリーの良さ(原作を上回る複雑さ)なんて吹っ飛んでしまうくらいの失態。ホントに残念ですわ。

何をやってもダメな時はダメなんですね。詰めが甘いのか脇が甘いのかわかりませんが、最後の最後で非常に残念なドラマでした。

もう一回、原作読んでスッキリしときますか。

ってなことで、今回はここまでっ!

(おわり)

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