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2015年9月7日月曜日

973:【夏の思い出】全国少年少女草サッカー大会(通称:清水カップ)奮闘記〜順位別トーナメント戦後編〜の巻

毎度どうも、さいたまの孤高のサラリーマンこと、ひろ☆さの(@Hirosano)です。

さていよいよ、全国少年少女草サッカー大会も大詰めとなってまいりました。前回までに、ミニカップリーグ戦3試合、ミニカップトーナメント戦2試合、そして最後の締め括りとなる順位別トーナメント戦2試合をお送りしてまいりました。

真☆煩悩の赴くままに: 972:【夏の思い出】全国少年少女草サッカー大会(通称:清水カップ)奮闘記〜順位別トーナメント戦後編〜の巻
奇跡的な勝利を収めた順位別トーナメント戦第2試合の模様はこちらっ!

最後の最後で調子が上向きになってきました我がチーム。このまま順位別トーナメント戦を3連勝して優勝(と言っても8位同士のトーナメント戦の優勝ですけど)と行きたいところではありますが、はてさてどうなる事でしょう。

それでは、本大会最後の試合の模様をお送りしたいと思います。


大会5日目最終日は、午前中の1試合だけになっております。午後には順位別1位トーナメント戦の決勝がJ1清水エスパルスのホームスタジアムであるIAIスタジアム日本平にて行われます。256チームの真の頂点を決める戦いとなりまして、ひょっとしたら出場する選手の中には将来の日本代表候補がいたりするかもしれません。

一方、我がチームが出場参加しているのが順位別8位トーナメント戦でして、こちらは256チーム中113位という、頂点でもなんでもない中途半端な6合目辺りの山小屋を目指しての闘いとなります。

と言ってもバカにはできませんよ。その前に行われたミニカップ戦にて16チーム中8位になったチームが集まってのトーナメント戦となりますので、実力は拮抗しており必然的に伯仲すること間違いなし。かなり熾烈な争いがここでも繰り広げられているのですよ。

さてさて、ここまでの我がチームの順位別8位トーナメント戦の成績ですが、ここに来て調子が上向き、豪雨の中で行われた第1試合と第2試合を連勝しまして、このトーナメント戦の決勝まで進出しました。

ミニカップ戦8位同士のチームが16チーム集まりまして、8チームずつのトーナメント戦を行っておりますので、決勝戦って言っても本当の決勝ではないんです。日程的な都合ってのがありまして、最後の決勝戦とか3位決定戦まではやれないんですね。だからあと1試合で(8チームで行う片方のトーナメント戦の)頂点が決まってしまうんです。

ここまで4日間7試合を闘った子供たちは、大会が始まった当初から比べるとかなり成長できていると思います。漠然とした「清水カップで上位に食い込む」という目標を掲げたはいいものの、そこでどんな闘いが繰り広げられるのかまでは想像できていなかったのでしょうが、確実に「試合に勝ちたい」という意欲を自ずと口に出す闘争心みたいなものも垣間見れるようになってきました。

このような大きな大会に出場すると、全国各地から集まるサッカー少年団との闘いを通じて、自分たちの実力の程と置かれた立ち位置が自ずとわかってしまうんです。かなり残酷な現実を押し付けられる形となった彼ら選手たちは、当初はキチンとした目的意識もないまま臨んだかのように見えておりましたが、実力が似通ったチーム同士が集まるこの順位別8位トーナメント戦に入ってからは、凌ぎを削り合う闘いを楽しんでいるようにも見えますし、ギリギリの闘いにかなり消耗しているようにも見えます。

しかし、残りはたったの1試合。

これで彼らの人生の全てが決まってしまうワケではないですし、この大会で学び感じたことを今後に活かす方が大切なことですので、結果とか成績なんてものは二の次。最後の試合でも何かを掴み取ってもらえたらいいなぁと、そんな感慨深げな大会5日目に臨むことになります。


いざ!最後の決戦へ

大会5日目最終日の試合も、前日に引き続き由比中学校の校庭にて行われることになります。

最終日なので勝ち進んだチームの試合が優先して早めに行われるスケジュールになっております。試合が終わったらとっとと地元に帰る遠方から来ているチームもあるからですかね。ということで、我がチームの試合はまたまた朝一番の9時開始となっておりますので、7時過ぎにはチャーターしたバスに乗って試合開始1時間前に試合会場へ到着するようにします。

昨日と違うのは、試合が終わった後に宿舎には戻ってこないということ。最終日ですから帰り支度をして、余計な荷物は全て荷物車に載せてから試合会場へと向かわねばなりません。そのことは昨晩のミーティングで選手たちに伝えたはずなんですが、やはり朝はバタバタします。選手たちを乗せたバスが出た後に、荷物車で移動する大人たちが念のためにと各部屋を見て回ったんですが、忘れ物や落し物があるわあるわ(笑)。部屋の電気はつけっ放しだし、布団は畳んでないし、エアコンもガンガンに効いてる状態。ウチの監督やコーチが知ったらその部屋の選手は試合に出してもらえなくなりそうな感じの酷い有り様です。

というのも、「いくらサッカーが上手くても普段の生活態度が疎かな選手は大成するわけがない」というのがウチの監督の考え(しいてはチームの共通理念のようになっている)でして、部屋の片付けやら宿題をやってないうちはサッカーの練習にも来るなと、シューズの踵を踏んでいるヤツはフットボーラーじゃないと、親に買ってもらったウェアを無造作にその辺に放り出してるヤツは帰ってしまえと、そんな話を年がら年中して下さる方が指導にあたられているんです。

確かに、サッカー選手として大成する子供なんてほんのひと握り。ウチのチームには1人もいないかもしれません。というか、確率から言えばサッカー日本代表になれるような選手なんていないってのが当たり前なんでしょう。ましてや才能だけでその頂点に立てるほど甘い世界でないのは何もサッカーに限った話でもないことは明白です。

サッカーがいくら上手くても、1人の人間として、中学生として、高校生として、大学生として、社会人として、これから生きていかなければならない彼ら彼女らが、まだまだ人生の序章にあたるこの時期に変な勘違いをしてしまったら元も子もないですからね。

なので、宿舎のホテルに迷惑を掛けそうになったこれらの事については、キチンと試合現地で監督・コーチに報告させていただこうかと思います。まさかキャプテンと副キャプテンの部屋が一番悲惨な状況だったなんてねぇ......。


順位別トーナメント戦第3試合(決勝戦)

会場となる由比中学校の校庭は水捌けが良いみたいで、昨日は豪雨でグチャグチャだったグラウンドもある程度乾いて、普通の試合ができそうな状態にまで回復しております。天候も曇りから晴れへと変わる予報ですので、雨に悩まされることはないかと思われますが、ウチのチームは雨の中で2連勝しているので、恵みの雨がないから不利?なのかもしれません。

相手は同じく昨日に2連勝して決勝まで登りつめた神奈川のチームです。昨日の試合を見た限りでは、それほど特徴のあるチームでもなく、恐らくはウチのチームと実力差はないかと思われます。ここまでの試合で背番号9番のエースストライカーが9得点を挙げておりますので、この選手を如何に抑えるかがポイントになりそうです。

対する我がチームですが、昨日2連勝した時と同じ布陣、背番号9番キャプテンと足の速い背番号19番を左右前方に配した布陣で試合に臨みます。この布陣で2連勝しており良いイメージが選手たちに残っていますから、フォーメーションを弄らないのでしょうが、昨日と違うグラウンド状態なので、作戦は大きく異なります。不用意にボールを前方に大きく蹴り出すのではなく、確実にパスを繋ぐウチのチーム本来のサッカーをする必要があります。果たしてそれが出来るのか?それが相手に通用するのか?が問われる一戦となりそうです。

似たような実力を持つチーム同士の闘いですから、やはり一進一退の攻防が続きます。前半は攻めつ守りつの繰り返しで両チームとも得点を奪うまでには至りません。この大会の妙と言いますか、やはり初日からの試合を通じて集まってきた似たような実力のチーム同士で試合をしているので、点が入りづらいこう着状態となるような仕組みになっているようです。

これが、実力差のあるチーム同士の対戦だったとしたら、点がバンバン入って観ている方も楽しめるんでしょうが、試合をしている選手=子供たちにとってはどうなんだろう?という疑問が生じるのも確かです。中には26-0というまるで東◯大山形vsP◯学園のような大差がついた試合もあったようですが、勝った方にとっても負けた方にとっても本当に成長できる試合だったのか?と思わずにはいられません。やはり、実力が拮抗したチーム同士で凌ぎを削る試合の方が勝った時の喜びや負けた時の悔しさが倍増するでしょうし、それなりの糧になるのではないかと思います。

ウチのチームも、昨日の試合から見違えるように変わりました。ミニカップトーナメント戦から実力差のあまりない闘いを経験する中で、少しずつでも確実に成長していることが目に見えて判ります。

大会当初から変わったのはディフェンス時の声掛けと連携。本来は攻撃の要だった背番号10番がCBに入り、彼自身も攻撃だけじゃなく守備も大切だという学びがあったことが我々大人が見ても判るくらいに成長しています。また、彼に引きずられるように、防御に対する意識がチーム全体で格段に向上しています。それまでは試合中の意思疎通がなかなかできなかった選手たちが、互いに声を掛け合ってそれぞれの役割を状況に応じて変えるまでに成長しているのです。そんな彼らを見ているだけでこっちの大人たちは涙モノなんです。

結局、前半はスコアレスで終了しました。相手の背番号9番はウチの背番号6番が的確にマークしてますし、ウチの背番号19番はボールを持った途端に潰されてしまう場面が多々ありました。途中で背番号9番のキャプテンがシュートするまでに至るチャンスがなくもなかったのですが、惜しくも点を決められず、前半は0-0のスコアレスで終了となりました。

こういう試合だと、ちょっとしたことで均衡が破れるものでして、それは後半が始まってしばらく経った頃に我々も目の当たりにすることになりました。

以前にも大会の仕組みを解説したことがありましたが、基本的に選手の交代は自由ということになっております。大会本部の第4の審判に相当する人に申し出ると最低限必要な用具チェック(すね当てとスパイクのチェック)が行われ、あとは交代する選手を自分で呼ぶシステムになったます。当然ながら、ピッチの中の選手が一瞬たりとも9人にならないように、交代で退く選手がピッチの外に出てから次の選手が入るのですが、この瞬間に相手チームよりも人数が1人少ない状況が生まれます。ここが今回の試合のターニングポイントでした。

ウチのチームの選手がたまたま交代しようとした時です。退く選手がタッチラインまで走っている最中に相手がボールを奪います。相手陣内での出来事だったので不利に働くこともなかろうと楽観視していたのですが、ボールを奪った選手は、まるでラグビーのパントキックのようにポーンと大きく前方へとボールを蹴り出しました。それがウチのディフェンスラインとGKの間に落ちるまでに相手の選手がオフサイドラインを突破してボールを足元に収めます。あっという間にGKと1vs1になってしまいました。

選手交代の途中で一瞬マークが外れたのも災いしました。また、成長痛(オスグッド)で足を痛めている普段はCBやSBの選手がこの大会から急遽GKをやっている不慣れもありました。ポーンと蹴り出された瞬間にGKが飛び出てボールを処理できなくはなかったのですが、そもそもGKをやったことのない選手にそれを求めるのもちとしんどいかな?と。それまでのスーパーセーブは彼の類い稀な反射神経に救われたものでしたが、GK本来の所作・立ち居振る舞いなどを知る由もないのは確かなんです。実戦に慣れたGKであれば、1vs1になったとしても思い切って距離を詰めてシュートコースの選択肢を絞ったりシュートを遅らせたりもできるはずなんですが、そんなことは教わってもいませんからできるはずもありません。

相手選手がオフサイドラインを抜け出し、GKと1vs1になった時点で勝負はついていたも同然。相手チームに先制点を与えてしまいました。

残り時間も10分を切るか切らないかです。1点ビハインドとなった我がチームは、DFも含めた総攻撃を仕掛けてまずは同点にするしかなく、どうしても前掛かりにならざるを得ません。何が何でも点を取りに行くという意思疎通がチーム全体で出来ていました。チームとしての一体感に包まれた中、選手たちが一つになって猛攻を仕掛けましたが、やはりそこにも隙がありました。

前線へと送るパスが相手のDFに当たり、大きく自陣内へと跳ね返って来ます。1点目の時と同じように、DFとGKの間に落ちたボールは、うまくセンターラインから飛び出した相手選手に奪われてしまい、またもやGKと1vs1の場面を作られてしまいました。ここでもGKは前に出る勇気を振り絞ることができませんでした。また、前掛かりになっていたせいもあり、DF陣の誰もGKを助けに戻ることが出来ませんでした。

あっさりとゴールを決められ0-2になってしまいます。その後も味を占めた相手チームは、昔のイングランドの大味なサッカーを体現するように、自陣深くからポーンと大きくボールを放り込むだけのいわゆる「つまらないサッカー」を仕掛けてきます。悔し紛れに言ってますが、その作戦が偶然とは言え2度も得点に結びついているのですから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれません。

我がチームはこれに対抗すべくDFが試合中に修正できたことくらいが得たものでして、残念ながら結局は得点を奪えないまま0-2で最後の試合が終了してしまいました。


大会最終結果

最後の試合で負けてしまったため、最終結果は以下のようになりました。
  • ミニカップリーグ戦:2位(4チーム中)
  • ミニカップトーナメント戦:8位(16チーム中)
  • 順位別8位トーナメント戦:3位(16チーム中)
  • 総合順位:115位(256チーム中)

実力的には妥当な線に納まったかと思います。むしろ大会参加前までの不調だった時期を思い出せば、よくここまでの成績を収められたものだと思わずにはいられません。選手たちは選手たちなりに一生懸命頑張っている姿も見れましたし、この大会を通じて彼ら自身が得たものも決して小さくはないと思っております。

奇しくも2年前の先輩チームと全く同じ成績になりました。偉大な先輩の壁をあと一歩のところで越えられなかった悔しさは残りますが、子供たちも試合後は感慨深げな表情を一様にしておりました。

さて、次回は最後の試合が終わった直後の選手たちの様子と、静岡からの帰路の話をしつつ、この大会の総括をして、このシリーズも終わりにしたいと思います。

ってなことで、だいぶ長くなりましたので今回はここまでっ!

(おわり)

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