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2013年9月19日木曜日

613:あなたはその時何を感じているのだろうか?(応用編)の巻

さてさて、前回は非常に簡単な例を挙げてみたのだが、いかがだっただろうか?

真☆煩悩の赴くままに: 612:あなたはその時何を感じているのだろうか?(基礎編)の巻
初歩の初歩、基本中の基本がこちら。

美的収納プランナーという肩書きをお持ちのこの方は、オフィスや店舗・家庭の収納を語らせたら凄い方だとは思っている(この方の経歴を拝見すると、その方面の第一人者で凄い方とも取れなくもない)。

が、カバンの中身の話になると、少しばかり違和感があったので、「これを読んですぐ様信じるか否か?」というテーマを語る際の事例として取り上げさせていただいた。

もちろん整理整頓が出来るに越したことはないだろうが、それが全てではない(と言うと美的収納プランナーの顔を潰すことになるか?)し、それで仕事が出来るか出来ないかを語られても困る。

人事考課の査定項目の一つに「カバンが軽いとA評価」とか「荷物が少ないとボーナスUP」なんてのがあるんだったら頑張っちゃうんだが、あいにくそんな賃金・ボーナス査定は聞いたことがない。

成果主義を取り入れてる会社で「ボクの成果は自分のカバンを従来より40%軽くしたことです!」って報告したら......確実に評価は下がるだろうな(笑)。

ちょっとおふざけが過ぎたか?

それじゃ、そろそろ本題に移ろう。


今回ご登場いただくのも、たまたまこの方になる。

仕事ができない人のデスクに共通する「5つの特徴」|ダイヤモンド・オンライン
別にこの方を目の敵にしてるワケじゃないのは前回と一緒。題材として相応しいから取り上げているまで。

今回は美的収納プランナーの得意分野を拝見してみることにした。

最も得意とするオフィス、それも机の整理整頓に関する話しらしいからと、興味深々で中身を拝見すると......

まことに残念ながら(?)、これまた冒頭からかなりぶっ飛ばしていらっしゃる。

前回も申し上げたとおり、オフィスのデスクは“あなたの顔”と言えるもの!
あなたがどんな人なのか、周りの人はあなたのデスクの状態から少なからず判断しているはずです。
前回は読んでないから知らないとしても、冒頭から突拍子もない事を断言して下さっている。

ちゃんと確認してみよう。

登場する人物は「あなた」と呼ばれる主人公と「周りの人」。

この机の汚い主人公=「あなた」と、同じ部署に所属するらしき人々=「周りの人」が織り成す、よくあるオフィスドラマが現場らしい。

......はて、何かがおかしいぞ?

この「あなた」は入社したての新人なのか?

それとも何処ぞの他社から転職して来た新参者?

はたまた他の事業所から転勤して来たばかりの社員なのだろうか?

いやいや、会社に入ったばかりの人や最近赴任して来た人ならば、着任後すぐさま机を突散らかすのは難しい。

ってことは、この部署の在籍が長い人が主人公に違いない。

「周りの人」はどうだろうか?

一人ではなさそうだな。複数人いるのかな?

この主人公以外の周りの人が全員新入社員だったり転職組だったり転勤してきた人々ってことも考えにくい。

新たに会社を興した社長=主人公で、これまで一人で事業を切り盛りしてきたので机の周りを片付けるのもままならなかったが、事業が順調に伸び始めて人手が必要になったので新たに雇われた「周りの人」がその会社に大量投入されたとか......

って、そんなニッチなシチュエーション、想像しろって方が無理がありすぎる。

やはりこれは、ある程度の期間、共に仕事をしてきた主人公とその周りの人々という日常的なオフィスを想定しての話のようだ。

だとしたら、やっぱりおかしな話じゃないか?

それまでも日常的に交流のある同じ部署(もしくは近隣の部署)の人々の間で、「机が汚い」というその点だけを持ってして相手をどんな人か判断するなんてことがあり得るだろうか?

ましてや、その主人公を、机が汚いというその一点だけで「ダメリーマン」という鉄槌を下すという判断が果たしてあり得るだろうか?

まず最初にそんな疑問は感じないか?

一緒に仕事をする同僚に対しては、その人となりや性格、普段の態度や仕事の評価が先にあるんじゃないの?

あと見た目も付け加えておくか。

少なくとも、普段仕事を共にする同僚・先輩・上司にとって、机が汚いという点は、その人の評価なり印象なりを決める第一義的な要素にはならないんじゃないかなぁ。

仮に「仕事はできるが机は汚い」としよう。

上司や先輩は「まぁ、あいつもしょうがない奴だ」と思うかもしれないが、机は汚くとも仕事では頼りになるヤツだと判断するんじゃないか?

中には気がある女の子なんてのもいて、「もう、わたしが机をキレイにしといて、あ・げ・る♡」なんて恋愛ストーリーが展開するかもしれない。

その逆で、「机は汚いし仕事もできない」としたらどうだろう?

無論、そんな輩は論外であることは間違いない。

しかし、机が汚いことよりも仕事ができない方に焦点が当てられての評価・判断になるはずだ。机が汚いのは、その評価に追い討ちをかける付随要素に過ぎない。

違う場面も想像してみよう。

他社から訪問してきた人が、オフィスの奥深く、机がズラリと並ぶスペースに足を踏み入れる場面なのだろうか?

そして最初に見たのが乱雑な机だとすれば第一印象は最悪だわな。仕事なんか一緒にしたくなくなるかもしれない。

しかし、そんな場面が日常であり得るか?

企業機密管理、個人情報保護、セキュリティにうるさい世の中は、受付を通るのにも関門・関所があるのが当たり前。

来客はそれなりの場所(会議室とか応接室とかその集合体をなす専用スペース)にお通しして、打ち合わせなり会議なり商談したりするんじゃないの?

普段仕事をする机が並ぶスペースに他社から来た人間を招くのは、よっぽど仕事の付き合いが長いか関係性が良好かに違いない。

だとすれば、第一印象はすでに決まっていて、先ほどの上司・先輩・同僚のケースと似たり寄ったりの結論に至るんじやないか?

......あっ!わかった!!

ここはきっと、オフィスのモデルルームなんじゃない?

住宅展示場に住み込みで生活感を醸し出す商習慣があるらしいじゃない。あれと一緒で、擬似的にオフィスらしい舞台を設置してガラスで囲ってさ、それを衆目に晒す実験的なオフィス用品会社の新しい宣伝用展示スペースとか。

見ず知らずの人々にデスク周りが汚いってのがバレバレになっちゃうから、「あぁ、ああいう机が汚い人ってどこの会社にも一人はいるよねぇ〜」なんてリアリティを出すためにワザと散らかしまくってるとかさ......。

うん、あり得ないね、そんなシチュエーション。知ってたよ、最初から。

見ず知らずの人が、主人公(机が汚い人)に関する情報を何も持たずに、まず最初にその突散らかされた机を見せられた印象を述べさせられるであれば、この筆者が言う通り、デスクの見た目だけでマイナスの印象を与えてしまうことはあるかもしれない。

ただ、そんな場面は、妄想しがちなボクの想像の範疇にすらない。

机の汚さがどうのこうのという講釈を垂れる前に、マイナスの印象をこの記事に対して最初に抱かせてしまう冒頭の突散らかりぶりを、筆者もしくは編集者がまず手を打つべきなんじゃないだろうか?

もちろん、デスクはある程度小綺麗な方がイイとは思うよ。

その後に書かれている事は参考になるイイ話もたくさん書いてあるし、この次の回には具体的な整理方法も書いてある。参考になりますよ、ホントに。

ただね、出だしの無理矢理な場面設定とか、その後に私物と書類が混在した机の中身を確認する時のワザとらしい演出とかがね......。

「まぁ、なんということでしょう!!」っていう、改築前後で劇的に変わるお宅を紹介する番組にありがちな、あのサザエさんの声のような棒読みのナレーションが頭の中をよぎること間違いなし。

冒頭で胡散臭さをプンプン漂わせて損をしてるんじゃないかと余計なお世話を焼きたくなる気持ちも解っていただけるかなぁ?

解んねぇだろうなぁ......シャバダ〜ってなもんですよ。

なんなら、こんな感じで机の整理整頓について論じる方がよっぽどインパクトあるんじゃない?

片付けるためには「整理しない」のがコツ-優秀なあの人の机が“きたない”理由:日経ウーマンオンライン【自分が変わる!生活が変わる習慣心理学】
逆説的なインパクトで人を諭す方法論は時に有効かもしれないという参考例。

という意外性がもたらすインパクトは読者を惹きつけるんじゃないかと。

でもボクはここに書いてあることは実践しませんがね。

だって、面倒臭そうなんだもん。

(おわり)

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