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2013年9月25日水曜日

616:【ネタバレ注意】半沢くんと斉藤さん...の巻〜ドラマ『半沢直樹』が冒した失敗とは?〜

毎度どうも、半沢直樹とは同期の桜、さいたまの孤高のωブロガーこと、ひろさの(@Hirosano)です。

いやいや、まさか同期とは思いませんでしたよ。

えっ?!だって伊勢志摩ホテルの担当を交代させる件で出てきたiPadを常に持ち歩いてる次長(名前は忘れた)がいってましたよね。「半沢直樹、1992年入行......」って。よって、ボクとは同期なんです。

......「だから何?」ってな話ですが、特に意味はありませんのであまり気になさらないで下さい。

半沢くん(同期だからすでに馴れ馴れしい)の出身大学は確か...慶應義塾大学でしたっけ?

やっぱりボクとはデキが違うから、たとえバブル期と言えどもちゃんとメガバンクに入れたんでしょうなぁ。

こちとら金融業界なんてハナから諦めてましたよ(笑)。


今回のクール(7月〜9月)でボクがちゃんと通して観たテレビドラマってのが、日曜21時からTBS系列で放送されていた『半沢直樹』と、土曜21時から日テレ系列で放送されていた『斉藤さん2』でした。

いずれも9月下旬に最終回を迎えており、既に結末はハッキリとしているので今更ネタバレでもないだろうとは思うのですが、この両ドラマの主人公は似たような立ち位置でありつつも、目的を達成するまでの手段や意識に決定的な違いがあり、そこが妙に印象に残りました。

今回は両者の共通点を考察した上で、まずはドラマ『半沢直樹』の所感を綴ってみたいと思います。

ホントは火曜日の『救命病棟24時』の松嶋菜々子や、その後の『スターマン』の広末涼子を観て癒されたかったんですが、やはり平日は残業や飲み会などで見逃すことも多く、途中でストーリーが解んなくなっちゃって。結局一話足りともまともに観ることなく終わってしまいました、トホホ。


半沢くんと斉藤さんの共通点


両者とも、間違ってる事を間違いだと真っ正直に指摘する熱血漢が主人公でして、世の中(半沢くんは勤める銀行、斉藤さんは子供が通う小学校)に蔓延る様々な間違いを正しつつ、最後は敵(?)に勝利するという共通点がありました。

一方の半沢くんは、メガバンクという巨大組織の派閥やら権力争いを物ともせず、銀行内部に巣食う悪い人間やその不正行為を炙り出し、最後には因縁深い仇敵を倒すという痛快活劇でした。

メガバンクとは言えたかが一企業内の話ではあるんですが、独特のハッキリとした物言い(「倍返しだっ!」はその象徴的なセリフ)で、次々に企業内の巨悪をなぎ倒す下克上を地で行く姿が好評を博し、回を重ねる毎に視聴率もうなぎ上りで、最終回は平成ドラマ史上最高の高視聴率を叩き出したっていうんだから、凄いっ!きっとみなさんも、ご覧になっていたことでしょう。

日本人が昔から見慣れて来た勧善懲悪を軸としたストーリー仕立てがウケたんでしょうなぁ。ストーリーにも増して、登場人物同士の関係性=因縁を伏線とする手法を用いて更に重厚さを出す、ドラマ人間模様的な内容だったかと思います。

みなさんご存知、池井戸潤氏の『オレたちバブル入行組』が前半5話、そして続編の『オレたち花のバブル組』が後半5話の原作となっております。更に続編の『ロスジェネの逆襲』も新刊で発売されておりまして、ボクもドラマの途中から先を早く知りたくて読み始めてしまいました(笑)。

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えぇ、ドラマが最終回を迎える遥か以前に読み終わってますよ。当たり前じゃないですか(笑)。

その続編の『銀翼の翼』が何処かの週刊誌にて連載中とのこと。早く書籍化されないですかね。今度はAmazonのKindleを購入したいと思ってます。

そしてもう一方の斉藤さんは、5年ぶりのセカンド・シーズンになってまして、舞台を埼玉県越谷市レイクタウン近辺に移しております。

前回の舞台であった街から転居しており周囲との関係性や環境がリセットされましたので、ファースト・シーズンを観てなかった方も入りやすかったのではないかと思います。子どもが幼稚園時代のファースト・シーズンで唯一無二の親友になったミムラ(役名忘れた)が登場する場面だけは連続性を持たせておりましたが、それも一瞬で、特に前回から継続する大きな要素もなく、リアルタイムで5年の時が経過したという設定でした。

それでも斉藤さんは相変わらずズバリと親や子供たちの間違いを指摘する目の上のタンコブ的な立ち位置からスタートしております。

当初は周囲のママ友から浮いてしまう存在であるんですが、それでもブレずに行動し続け周囲に気づきを与えつつ、最後にはみなさん仲良くなってハッピーエンドとなるのは前回と同じパターン。

こちらも原作のマンガがありまして、ファースト・シーズンの放映時期にハマったうちのカミさんが第6巻まで購入しておりました。

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今はカミさんが古本屋に売ろうと画策している悲しい運命となっております......。

舞台や性別や周囲の環境は違えど、双方とも非常に似通った正義感に溢れる主人公が活躍するドラマなんですが、おそらく視聴率は半沢くんの圧倒的な勝利でしょう。かなり話題にもなりましたしね。

かく言うボクも、毎週ワクワクしながら両ドラマを観ておったのですが、微妙に感じたところに差異がありまして、よくよく考えるとその違いは大きいことに気づきました。

「もともと全然違うじゃねーか!」という話がなきにしもあらずですが、それは置いといて続きを語らせて下さいな。

以降は、それぞれのドラマに対して抱いた所感を深掘りしてみたいと思います。


半沢くんのダメなところ


最終回のラストシーンにて、金融庁検査や大和田常務一派の不正を暴いた半沢くんは二階級特進で大きく出世するんじゃないかという雰囲気を製作者側が意図的に作り出してましたね。

それなのに中野渡頭取から言い渡された辞令は、「営業企画部長として東京セントラル証券への出向を命ずるっ!」というものでした。

銀行員にとって、出向ってのはそれはそれは恐ろしいらしいですからね。ボクなんか20数年のサラリーマン生活で既に2回くらい出向を経験してるっつうのに(笑)。

「業界が違うと、こうも考え方が違うのか?」という面白さはありました。

ドラマをご覧になった方々の中には、「大和田常務が平取への降格だけで、なんで半沢くんが左遷みたいな事になってるんだ?!」と、納得いかない視聴者も大勢いるかと思いますが、あれは別にラスボスが中野渡頭取という大ドンデン返しでも何でもなくて、ほぼ原作通りなんですから仕方がない。

なぜ半沢くんが出向になったのか?という疑問を残したまま終わるところが、続編か映画化の臭いプンプンものなんですけど、まぁ出向になるにはそれなりの理由があるんですよ。ドラマが終わったからといっても原作本が販売中なんで、それほど詳しくは書きませんけど。

何しろ、今回のドラマは原作と微妙に違うところが多々あるんですが、それを挙げていったらキリがないんです。原作の方がイイとか、ドラマで弄り過ぎだとか言うつもりはないんですが、はっきり言って原作とドラマは大まかな流れは一緒でも、その根底にあるテーマみたいなものが全然違います。ドラマを更にドラマティックにするために、制作サイドは二つのミスを冒してしまっているとボクは思ってます。

それが何なのかについて詳しく解説してみましょう。

  • 半沢くんの仇討ち物語にしてしまったこと

  • 原作では、工場を経営する半沢くんのお父さんが若かりし大和田常務のせいで自殺するなんてストーリーは一切ありません。

    それどころか、原作では産業中央銀行出身の半沢くんに対して、大和田常務は東京第一銀行出身だったはず。

    ドラマでは、この大和田常務が半沢くんと同じ産業中央銀行出身で、しかも親の仇という設定=サブストーリーを付け加えることで、半沢くんがあそこまで会社の上層部に対して反抗的に振る舞う理由付けを加えているんだと思います。

    が、それが逆にリアリティさを欠き、よくある勧善懲悪の時代劇チックな安っぽさを醸し出しているんじゃないかと思ってしまいました。

    ドラマなんでね、それでもイイんですよ。盛り上がったし、それであんなに視聴率取れたんだし。

    ただね、仇討ちを果たす事で物語が完結してしまうと次回作への繋がりが心許ないのか、大和田常務を平取にするだけで銀行に残しましたよね。原作では出向になってるのに、ドラマでは大和田さんを残す必要ががあるんですよ、きっと。

    コンプライアンス的には、大和田取締役を銀行内に残すリスクを取るとは思えないんですがねぇ......。

    あっ?!野暮でした?どうもすみませんね。

    大和田取締役を残す理由と言うのが、ストーリーとはなんの関係もなしに香川照之という特異なキャラクターを残しておきたかったからなのか、仇討ち物語は未だ完結に至ってないのか(次回作にもアレを持ち込むのか?)......。

    取締役会という場面で、営業二部の次長如きが常務に土下座までさせて仇討ちが完結してないなんてありなの?と思わなくもない。

    次回作では香川照之はふてぶてしさを一掃して物わかりの良い爽やかキャラで登場するとか、そんなところにも期待したいんですけど、それはそれで無理があるし、余計に安っぽくなりやしないかと心配。

    まぁね、ボクは制作サイドの人間じゃないので解りませんが、なんか次回も雁字搦めなストーリー展開になりそうだし、原作とますます乖離しちゃうのもどうか?なんて余計な心配しちゃったりしてます。

    高視聴率で有頂天になるのもイイんですが、もう少しディテールを詰めてからでないと......

    あは♡またまた野暮でしたっ!

    ちなみに原作の半沢くんは、「正しいことを正しいと言える組織でないと、やがてその組織は腐っちまう」とか「私利私欲に塗れることなく、顧客のため世の中のために働くこと、それが本来の仕事だ」みたいな、40代にしてはヤケに青臭いことを主張をする人物でして、それがこの物語のテーマにもなってます。

    なので、親の仇討ちのために銀行に復讐するとか大和田常務を仇敵のような設定にしてしまうと、原作の根底に流れるテーマが台無しになっちゃうような気がしてなりません。

    ドラマなんで、視聴率を獲得するためには必要な演出だったのかもしれませんがね。残念です。

    また、原作の半沢くんはドラマのように大声で喚き散らすようなキャラではありませんでした。もっと戦略家として知的な印象があり、飄々とサッパリした性格の持ち主で、私怨とは無縁の人物像になってると思います。

    なので、これから原作を読もうと思ってる方々は、そのギャップにご注意下さい。

  • 半沢くんの出向の理由を明らかにしなかったこと

  • ラストに衝撃的なシーンを作りたかったとか、次回作への繋ぎとか、いろんな理由があると思うんですが、あれだけ謎を残したままにすると、みんな気になって原作本を読んじゃうんじゃないか?と心配です。

    ボクなんかその前に原作を読んじゃってますけどね(笑)。

    なんせ、ドラマとのディテールでの違いはあれど、原作を読めばほとんどの謎が解明しますからね。

    あの終わり方は海外ドラマっぽくてボクも好きなんですが、ほとんどの方は続きが知りたくなって、まだドラマ化も映画化もされてない先のストーリーを原作本を読むことで知る人が増えてしまい、視聴者が次回作に再び興味を抱くかどうか解らなくなっちゃう感じがしませんかね?

    原作の著者(池井戸潤さん)からすると、本が売れてウハウハなのかも知れませんが、映画化なんてしちゃったら、興行収入的にどうなっちゃうんでしょ?

    原作にある半沢くんの出向理由・出向になった意味を明らかにしておけば、次回作への期待も高まったんじゃないか?とボクは思うんですけど、余計な心配をしているのはボクだけですかね?

    まぁ、制作サイドの人間じゃないんで、どうでもイイんですけどね、そんなことは。

    あと原作にはそんなに出てこなかったのに「やられたらやり返す。倍返しだっ!」を使い過ぎだとか、「10倍返しだっ!」や「今度は百倍返しだっ!」ってのは小学生じゃないんだからとか、東京中央銀行取締役会の伝統ある会議室のテーブルはデカ過ぎ(真ん中あたりに物を置けないし無駄)だとか、いろいろ言いたい事はあるんですが、それこそ言い出したらキリがないですし、一視聴者のしょうもない意見なので、この辺にしておきます。

    ホント、すみません......。


    斉藤さんの良かったところ


    さてさて、お次は『斉藤さん2』のお話なんぞを......。

    と思ったのですが、ちょうどお時間となりましたので、この続きは次回に持ち越しとさせていただきます。

    それじゃ最後にアフェリエイト感たっぷりのリンクを貼っておきますので、ドラマを観てない人も、続きが気になる方も、どうぞご自由にお買い求め下さい。

    ってなことで、今回はここまでっ!

    (おわり)

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